川畑 朱里

高校時代は野菜を食べることにハマってました。お弁当はいつも、すっごく大きいタッパーにめっちゃ切り刻んだキャベツとレタスとドレッシング。貧乏な子だと思われてたかも（笑）
野菜が好きすぎて大学は農学部に行こうと思いました。鹿児島の大学に入学したんですけど、本当は北海道の大学に行きたかったんです。でも、親に反対されて地元の大学に。親からはいつも「普通に子どもを産んで、普通に幸せな家庭を築いてほしい」と言われ続けていて、でも普通なんて嫌でした。

ロリータ服が好きなんですけど、日本で買うと1着3万円ぐらいでめっちゃ高いんです。学生のお小遣いで買える値段じゃなくて…、でも調べてみたら中国から輸入すると5千円ぐらいで買えることが分かりました。
「だったら輸入するついでに売ってしまえ」と思って中国から輸入したロリータ服をメルカリでめっちゃ転売してました！
大学3年生の時に、輸入転売をもっと大きな事業にしたいなと思ったんです。色んな文化が交錯する国に行ったら、もっと新しいアイデアが思いつくんじゃないかと思って、とりあえず色んな人がいるシンガポールに、大学を休学して行くことにしました。

シンガポールでは日系のコンサル会社でインターンシップをさせてもらいました。会社では、日本企業のシンガポール進出支援もしていて、シンガポールの人に日本の商品の魅力を伝える仕事もしました。でも英語は喋れないので「これベリーグッド！」みたいなことを言いながらジェスチャーで（笑）
他にも現地のアイスの会社に「鹿児島のサツマイモでアイスを作りませんか」という提案をして、企業が試作品を作ってくれたり、日本人コミュニティの運営をしたりと色んな経験をさせてもらいました。でも、もっといろんな世界が見たくて、シンガポールを出ることにしたんです。

シンガポールでは英語が喋れな過ぎてヤバかったので、とりあえず3ヶ月間フィリピンの語学学校に（笑）シンガポールではお金を稼いでる人をたくさん見てきたけど、他の稼ぎ方も知りたいなと思いました。お金を稼ぐだけでなく、社会に良い影響を与えながらビジネスと両立出来たら面白いなと思って。
GoogleやTwitterで調べてたら、たまたま日本人女性の社長で農家の支援をしている会社を見つけたので、次はケニアに行くことにしました！

ケニアのインターン先では農業で利益を出して、住民の生活を向上させる仕事をしていました。インターン中に、新規事業としてスモールスタート出来るアイデアはないかと考えて、現地の人に質問しながら事業案を考えたんです。頑張って作った養鶏のアイデアが認められたんですけど、ビジネスが始まる前に休学期間が終わってしまい、なくなく日本に戻ることに。
でも1年半後、卒論を書くために次はアフリカのマラウイという国に行くことになります。今までの国では期間が短かく成果を残せなかったので「次こそは何か完遂してから帰るんだ！」と強く思ってました。

マラウイではイモが凄く採れるんですけど、取れ過ぎてしまって廃棄量も多かったんです。なのでイモを有効活用することに挑戦しました。
私がいたのは500人ぐらいしかいない村だったんですけど、自分の名前を入れたアカリ様チップスという名前のポテトチップスを作って住民に売ってもらいました。ジャガイモ40キロをポテトチップスにして、1日で売り切ったので村中の人がアカリ様チップスを知っていたと思います。
一緒に仕事をしていた現地の人に、作り方と売り方を教えて、私が来ない日でも一人で売れるようにしたんです。そしたら、その人がめっちゃ儲けて（笑）でも、儲けて幸せになったかと思っていたら、儲けたお金を奥さんが全部持って夜逃げしたんです。お金って怖いなと思いました。

就職活動では日本の企業に就職しようと思いました。ケニアでもシンガポールでも、周りの人と一緒にやるという経験をさせてもらっていたけど、ビジネスの仕組みが分かってるわけではなくて、自分が出来ない事に色々と気付かされました。
だから、まずは会社で働いて、お客さんや先輩から色々と学ぶ。そして、いずれは独立する。そう思って、起業家を沢山輩出している会社に入社したんです。今は社内で色んなことに挑戦させてもらっていて楽しいです。でもいつか、自分しかやったことが無いことをやり遂げたいと今でも思ってます。